10年前のNECタブレット
某所からおよそ10年前にNECから発売されていたタブレットPCがありまして廃棄する予定のものを拾ってきました。
なぜなら、カレンダーやフォトフレームとしてはまだまだ使えそうだからってことです。
(当時珍しかったリチウムイオンバッテリーはさすがに寿命で死んでましたが...)
今でこそipadやAndroid、Windows8が出てタブレットは珍しくなくなりましたが、10年前にこんなのが出ていたのは驚きです。
サポートがあと一年となったようですが、XPって寿命ほんとに長いですね。
スペック
- 型番: NEC VersaPro VA93J/GL NEC: プレスリリース: 2003年01月23日-1
- CPU: Intel Pentium III 980MHz SpeedStep対応
- GA: ALI-Trident チップセット内蔵 ビデオメモリは共有 16〜32MB?
- HDD: 1.8インチ IDE 50pin TOSHIBA MKxxxxなんとかという型番 20GB
- メモリ: 標準256MB 本体スロット搭載済み。公式には最大で512MBまでとある。
- CFスロット: 1つ搭載
- 有線LAN: 100M搭載
- 無線LAN: オプションで搭載可能(miniPCI?追加できそうだけど分解しないと無理レベル)
- USB: USB2.0(3ポート)
- 画面: 1024x768
- ペン: 感圧式
このタブレットのスペックを調べると、メモリは144pin SODIMMで最大512MBが上限、HDDは1.8インチTOSHIBAタイプIDEの50pinで珍しいタイプ、グラボが悪名高いTridentで糞、拡張用はUSB2.0が3口、CFスロットがある。
なお、BTOで無線LANがつけられるタイプであったものの、この本体では未搭載でした。また、起動デバイスとして認識は内蔵HDDと外付けUSBCDドライブ、USBフロッピのみ対応で、USBメモリとCFからの起動はできないことでちょっと残念すぎる仕様です。なお、リカバリ媒体はCDが見当たらなかったので困っていましたが、起動時にF1だかESCキーを押すとHDDに内蔵されているFAT32の領域からNORTON GHOSTを起動させてリカバリできるとわかりました。できればこの領域だけCD-Rに焼いてリカバリディスクとして保管すればいいということですね。
このスペックであるとクリーンインストールできるOSはXPが限界で、しかもタブレットタイプなのでTabletPCエディションというのが必要。ペンは感圧式で反応が悪くイライラしますね。
(軽いLinuxやandroidの2系なら動きそうですが..まあ実用性があるのはXPなのかな思います)
改善計画
XPをこのまま使うにしても超重くてイライラする状態でしたのでなんとか改善させようとしました。
結果ですが、メモリは中古の512 144pin SODIMMを入手してすんなり認識されて動作も少し改善されて問題なかったのですが、
tempやキャッシュファイルなどの一時領域をCFの32GBに確保したらIOが遅すぎてかえって動作が遅くなったので常用はあきらめました。
最後一番効果がありそうなHDD→SSD化ですが、
見事にハマリ失敗しました。
HDD→SSD化
そもそもですが、1.8インチ IDE 50pin TOSHIBAタイプのSSDがあまり出回っていません。
amazonなどで探してみるとSSDは2〜3社で販売されていてまずは試しに安かった中華製の「 kingspec SLC SSD 32GB」を購入。
SLCなので価格は7000円くらいしたと思います。MLCなら4000円程度です。
KingSpec 1.8インチ IDE/CF 50pin 高速SLC SSD 32GB 3年保証
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さっそく本体に取り付けて起動するとBIOSレベルでは認識OK。(ただ、一部のLBAだったか?欄が空欄)
まあいけるかもと思いAcronistでオリジナルHDDから中身をSSDへ丸ごとコピーしました。SSDなのでコピー速かった。
そしてコピー完了後に再起動しましたがどういうわけかSSDからは全く起動して来ません。
起動画面ではこんなメッセージが延々とループ
Reboot and Select proper Boot device
or Insert Boot Media in selected Boot device and press a key
BIOSでHDD自体は認識されているのに起動しないとはなんだこれ?BIOSが起動に非対応なのか??
思ってネットを探すと、案の定BIOSが原因でこのころのNECはBIOSでLBA48対応されていないため、LBA48を無効にしているHDD以外は起動できないとのこと。これは起動ドライブとして利用できないだけであり、データ用のHDDとしては利用できるそうです。
でも一つ疑問がわきますね。TOSHIBAの20GBのHDDが普通に認識されてXPが起動しているじゃないか→これはTOSHIBAのHDD側でLBA48無効に設定されて出荷されているから起動できるらしい。
→ということは、SSDでLBA48無効にするか、LBA48無効なIDE5のSSDを購入するかのどちらかとなるということ。
でもって、いまどきのSSDでLBA48を無効にできるものなんて存在しないのでkingspecやらほかのメーカでも無理っぽいとの結論。
最後の手段として最初からLBA48無効な仕様(IDE5)のSSDがあれば...。なんてあるのか?
→あった。
サムスンで販売されていた「MCBQE32G8MPR-03A」 IDE5 32GB SLC がありましたー!
SAMSUNG MCBQE32G8MPR-03A 32GB 東芝型IDE 1.8インチ SSD SLC バルク
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→だが、今は販売されてない・・・・・。
→いやなんとしても中古でいいからオークションで入手するしかない。
→何とか入手しました落札価格は5,000円からだったのか10,000円近くに高騰しましたが..ね。
SSD換装→無事動作
SSD入手後の作業
このサムスンのSSD厚さが8.5mmくらいあるので、ネジを外してこじ開けて裏のふたをはがさないとタブレット本体に装着できませんでした。
カバーを外した後はメモリがむき出しで不安なのでメモリなど入っている帯電防止の袋で巻いて取り付けました。こじ開けてしまったのでオクに売りにはちょっと出しづらいですね。
取り付け後、AcronisでオリジナルHDDからSSDへコピーしたら一発で移行できました。速度計測はしてませんが、さすがにHDDよりも高速と感じるのでまだまだ現役で使えそうです。
本当は今時のSSDがLBA48を無効にできればいいんですがね...昔のPCを生き返らせるなんてごく一部のユーザしかいないから需要がないのでおそらく対応しないんでしょうね。
余ったkingspecのSSDはIDEの1.8→2.5→3.5インチ変換アダプタをかましてWin7のデスクトップPCで使うことにしました。
参考:
ぶらり秋葉原・夢気分